Love Daddy’s Day

エッセイ

つきこさん(@TakSUZUKI_sop )の「文字」を買取させていただきました。


 

 

4月1日。
世間はエイプリルフールで賑わっているけれど。

 

「四月一日」を何と読むか、みんなは知っているのだろうか。

 

正解は「ワタヌキ」。

 

 

いや、そうではなくて。

 

 

4月1日は私にとって特別な日。

 

 

最愛の父、光一さんのお誕生日なのだ。御歳76歳になる(ハズ)。

 

 

この父、私にとって自慢の人なのだ。

 

 

幼い頃から、わからないことがあると父に何でも尋ねた。

 

 

「知らない」と言われたことがないくらい、何でもよく知っている博識な人で、歩く百科事典とは父のことを指すのだと思っていた。

 

 

とはいえ、父は厳しいところもあり、殊に学校の成績についてはうるさかった。

 

 

良い点数を取っても、些細なミスを叱られて褒めてもらえなかった。

 

 

中学生のとき、学年で一番をとったときでさえ、「田舎の学校の少人数の中で一番になっても」と大して喜んでもらえなかったことを覚えている。

 

 

結果、成績優秀だったはずの娘は進学校で落ちぶれて、全教科赤点ギリギリに居続け、すっかり勉強嫌いになって、唯一周りが褒めてくれた音楽の世界に入り浸り、挙句音大を目指すなどと言い出した。

 

 

もちろん、父は大反対だった。

 

「芸術で飯は食っていけない」と。

 

 

実は父は、この不器用で大して賢くもない愚娘が、当時の小和田雅子様のようなキャリアウーマンになると信じて疑わなかったのである。

 

 

かくして娘は、父親の反対と母親の後押しにより公立の芸術大学を受験し何とか滑り込み(でも合格発表の掲示を現地まで見に行ったのは父親だ)、知らなかった世界が広がり、大した才能もないとわかっているのに未だ音楽の世界にしがみついている。

 

 

何故、こんな湿っぽいことを書いているのかといえば、そんな父が一週間ほど前から入院しているのだ。

 

 

我慢強く、辛いことを口に出さない父が不調を訴え、病院へ運ばれた。

 

 

今のところ検査結果に異常はなく、せっかくだからトコトン調べてもらおうということで入院が延長されているのだけれど、愚娘は気がかりでならない。

 

 

かといって、飛んで実家に帰ることも出来ず、せめて誕生日までには退院をと願っていたが叶えられず。

 

 

何と祝いのメッセージを送ったものかと思案していたら、父より先にメールが来た。

 

 

思いもかけず病院で誕生日を迎えましたが心配しないで下さい。気候が良いから楽しんで下さい。父

 

 

どこまでも優しく、娘を気にしてくれる父。

 

 

娘はそんな父が大好きなのである。

 

 

どうか病院よりの太鼓判をもらって、穏やかな一年になりますように。

 


買取金額500円(ポルカURL

 

※この文章は、エイプリルフールをテーマに応募を受け付けたものです。

この記事を書いたひと

きゃっぷ
きゃっぷモジバンクを考えたひと
タイに住んでいます。以前はキャプログというブログをやってました。そのあと、キャプローグというブログをやってました。今はキャプロアというブログをやっています。
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